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MEJE PROCESS · MEJE ストーリーテリング100 (14 章)

第3章 stakes・視点・形式・分量 — 執筆前に確定すべき四項目

MEJE Works · 章 3

第3章 stakes・視点・形式・分量 — 執筆前に確定すべき四項目

原稿フォルダを開く前に、物語の大きさ、誰の目、どの形式、どれほどの長さかを決めます。未決定で始めると、途中で小説かコントかも曖昧になり、どちらにも完成しません。

四つは連動します。stakesが高ければ長さが必要で、視点は形式を制限し、形式は身体アンカーと世界信号の配置を変えます。

stakesとは何か

Aristotleは『詩学』で悲劇が恐怖と憐憫を動かすと述べました。人物に失う可能性があって初めて生じます。stakesはその喪失可能性の大きさです。

K-pop Kのカン・ミョンスクが今日のオーディションに通るか、請負人Bが手掛かりを落とすか、練習中の指の怪我を隠せるか。小さくても実質的です。世界規模の危機も人物の人生につながらなければ感じられず、小さな日常の選択も本人に重要なら緊張になります。

外部stakesは合格/脱落、成功/失敗、発覚/隠蔽のような可視的結果。内部stakesは自尊心、関係、アイデンティティ、自己確信です。最も強い原稿は両方を持ちます。

stakesは分量に比例します。低ければコント、高く内外両方なら短編小説が必要です。先にstakesを決めると範囲が狭まります。

**質問:**何を失うか。内外両方があるか。読者が緊張するほど人物につながるか。

視点の選択

視点では一人称・三人称等より心理的距離を重視します。

John Gardnerの五段階では、遠い「冬だった」は客観的叙述、中間の「彼は窓外の雪を見て出勤を考えた」は人物の観察を語り手が濾し、近い「くそ、またこの時間だ」は意識を直接出します。

推奨は近いが圧倒されない距離です。感覚と感情に入りながら、読者が同一化しつつ少し客観性を保つ。親密な三人称限定、または落ち着いた一人称です。

アイドルはすでに憧れや既知の像が強く、遠すぎれば冷たく、近すぎればファンフィクションになります。公式世界の一部として距離で調律します。

漫才型対話は会話中心で心理距離が遠くなり、話し方とリズムが視点を代行します。4コマでは内面視点がほぼ消え、場面選択が視点になります。

**質問:**誰の目でどの距離か。人物とstakesに合うか。全体で一貫するか。

形式の選択 — 四つの選択肢

形式は内容・beat・tempoを決める器です。Syd Fieldはbeatを場面内の最小の行動変化とし、Scott McCloudはコマ数と配置が時間経験を決めると説明します。

短編小説(基本)

6,000〜10,000字。導入・展開・着地を持ち、叙述、描写、会話、内的独白を自由に組みます。中〜高stakes、内面と世界描写が必要な素材、例えば7年目に初ソロ舞台を準備するミョンスクの一週間に適します。

構造:題名 / 本文(導入→展開→着地)/ 締め。

コント(短型コメディ)

1,500〜3,500字。反転やアイロニー中心の小さな完結話で、会話比率が高く強い着地が必要です。低stakesでも逆説が強い日常喜劇、例えば末っ子が自分より年上のファンの呼称に困る話に適します。F基準は一文・一語へ圧縮します。

漫才型ダイアログ(ト書き+台詞)

2,500〜6,000字。二人以上の会話が主で、ト書きは最小。バディ・ダイナミクスが自然に働きます。関係、性格差、会話で世界規則を渡す素材、古参と新人、請負人Bと依頼人の交渉に適します。A基準は最初の三往復の言葉遣いに載せます。

構造:題名 / [A]台詞+必要なト書き / [B]台詞+必要なト書き / 締め。

4コマ漫画シナリオ

800〜2,000字。各コマの場面、人物、台詞、効果音を指定します。第1コマ設定、第2展開、第3危機または反転直前、第4結末。単純で強い反転、視覚対比、表情・ポーズ向けです。B基準はコマ描写の具体的身体行動で満たします。

構造:題名 / 第1〜4コマの描写+台詞 / 締め。

形式選択の原則

第一は素材の密度。豊かで内面重視なら短編、一エピソードとアイロニーならコント、関係と会話なら漫才型、単純な視覚反転なら4コマ。

第二はFun Engine。バディは漫才型、具体の奇跡は短編、反転はコントまたは4コマ、時限爆弾は時間を扱える短編。

第三はCoverage Matrixの均衡。一人物が同じ形式だけなら別形式を混ぜます。

第四はVaultデータの種類。エピソードなら短編、インタビュー・会話記録なら漫才型、写真・外見記録なら4コマ。

衝突時の優先順位は素材密度 > Fun Engine > Coverage均衡 > Vaultデータです。素材の要求が先、バリエーションは後です。

一人物に短編一つ、コント二つ、漫才型一つがあってもよく、複数角度が資産を豊かにします。

分量の原則

分量は結果でなく設計項目です。100本を管理する制作者は事前に決めます。

  • 短編:6,000〜10,000字、中〜高stakes。
  • コント:1,500〜3,500字、低〜中。
  • 漫才型:2,500〜6,000字、低〜高。
  • 4コマ:800〜2,000字、低〜中。

範囲内では短く書けるなら短く。水増しは希釈します。5,000字のコントは短編にすべきで、形式外の長さは短さゆえの強度を壊します。

決定順序と設計書への記録

執筆前に設計書へ次の順で記します。

  1. Vaultから人物が失える外部・内部stakesを確認。
  2. stakesと素材密度で形式を選び、分量範囲を絞る。
  3. 形式内の心理距離を決める。内面中心は近く、会話中心は遠く。
  4. 「約3,000字」のような数値目標を設定。

空白文書に出発点と到着点が付きます。

途中変更には根拠が必要です。「詰まったから形式変更」は逃避、「予想以上に内面が必要なので短編へ」は設計変更です。50本目で1本目の選択理由を問うとき設計書が答えます。記憶だけでは一貫性が崩れます。

第3章が残すもの

stakes、視点、形式、分量は執筆のインフラです。

K-pop Kの一人を選び、Vaultを開き、一つの日常場面を考えます。失うものを見つけ、stakesに合う形式、心理距離、数値分量を決めます。四つが設計書に入れば空白文書を開けます。

次章はVaultと執筆のインターフェース、資料を原稿へ運び、新発見をVaultへ戻す方法を扱います。


- 本文 / ライブラリ基盤Storytelling 100講稿 第3回 / 2026-04-30