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MEJE PROCESS · MEJE ロアブック制作ワークフロー (15 章)

第4章 マクロ六セクションと12部型――本の骨格が決まる場所

MEJE Works · 章 4

第4章 マクロ六セクションと12部型――本の骨格が決まる場所

D&D『Forgotten Realms Campaign Setting』(第3版)の目次を開きます。約320頁の本は作者序文から始まり、フェイルーン大陸の形而上学と魔法体系を置き、その上に千年の歴史を時間軸で展開し、都市・地域・勢力・人物の資料を順に示し、巻末の索引と地図集で終わります。第一章はFaerûn at a Glance(IPの短い要約)、次がThe Multiverse and Magic(形而上学と魔法)、第三がHistory(歴史・年代記)。第四から第七はGeographySocietyDaily LifeAdventurers(空間・社会・日常・アクター)、第八はCosmology(次元と神学)、最後にPersonalitiesOrganizations(人物と勢力)が続き、付録索引が閉じます。

『Eberron: Rising from the Last War』(約320頁)、『Coyote & Crow』(約530頁)、『Heart』(約216頁)にも同じ流れがあります。分量とIPの性格が違っても、目次の大きな流れは同じです。『シルマリルの物語』もAinulindalë(創世神話)、Valaquenta(ヴァリノールの神々)、本巻の半分以上を占めるQuenta Silmarillion(第一紀の歴史・地理・人物)、Akallabêth(ヌーメノールの滅亡)、Of the Rings of Power and the Third Ageの順です。神話テキストであってLOREBOOKではない本が、百科事典型目次と同じ骨格を持つ点は興味深いものです。

世界の雰囲気から法則へ、法則から時間へ、時間から空間へ、空間から社会へ、社会から分類・参照へ進みます。市場のLOREBOOKがほぼ例外なく六段階を通るのは、読者の問いが定まっているからです。この世界はどんな感じか、どう動くか、何が起きたか、空間と日常はどうか、社会はどう組まれ、資料をどこで再び探せるか。

これがA〜Fのマクロ六セクションです。分割・統合・名称・比重はIPごとに異なっても、一つも欠かせません。

六領域の性格

序文(A)は最初の8〜20頁でIPの雰囲気を定めます。宇宙観・法則(B)は形而上学、魔法、技術体系を扱い、9分類では装置・概念・専門用語が集まります。「○○」なら憑依・神降ろし・凝り、『Forgotten Realms』ならウィーヴ・神学・魔法学派です。

歴史・年代記(C)は創世から現在までの時間軸で、事件資料が集まり、巻末の年代記総覧と対になります。

中央の最大領域は地理・文化・日常(D)と種族・勢力・人物(E)です。検索頻度が高く、合わせて全体の50〜60%を占めます。Dは都市・地域・次元・日課・慣習という空間と生活、Eは人物と人格的集団という社会構成です。「○○」ならメリトン市・巫堂街・食堂街がD、男性巫堂・料理人・巫俗家門がEです。

図鑑・付録(F)が本を閉じます。用語集、索引、地図集、年代記総覧を必須とし、IPによりNPCミニカード、勢力カタログ、家系図を加えます。推奨比率はA 5〜7%、B 5〜10%、C 8〜12%、D 18〜25%、E 25〜35%、F 15〜20%です。

DとEが大きい理由

読者が最もよく検索するのは人物・場所・事件です。作品の人物を詳しく知り、シーズンの舞台を思い描き、事件の背景に触れたい。この三つが検索の約70%で、二つがDとEに属します。

またDとEは、読者がIPを直接触る資料です。法則を直接触ることは少なくても、一人の生涯を追い、一都市の路地を歩くことで深く入れます。Waterdeepの平面図、Masked Lords、五ギルドと本部、酒場やDock区の朝霧という細部を30分読むと、その都市へ行った感覚が残ります。この空間体験がDの大きさの理由です。12部型はD・Eを十分に確保できる骨格です。

三つの部構成――10・12・14

10部型は200〜250頁・100〜200項目の小型で、Vault 200項目以下または世界観軸5以下のIPに適します。DとEを一部ずつ、図鑑を統合し、インディーゲームや新規IPの初回刊行に向きます。6〜9か月で一周期を終え、後に12部へ拡張できます。

12部型が標準です。400〜470頁・300〜600項目で、本稿はこの形を基準にします。Dを第4部地理と第6部日常・文化に、Eを第5部社会、第9部存在図鑑、第10部勢力図鑑に分け、第7部ジャンルアクターと第8部次元・空間図鑑を独立させます。

00. 序文
01. 第1部 世界のトーン
02. 第2部 世界の法則
03. 第3部 歴史・年代記
04. 第4部 地理
05. 第5部 社会・政治・経済
06. 第6部 日常・文化
07. 第7部 ジャンルアクター
08. 第8部 次元・空間図鑑
09. 第9部 存在図鑑
10. 第10部 勢力図鑑
12. 付録

ジャンルアクターとは、そのIPを思い浮かべるとき最初に舞台へ立つ職群です。サイバーパンクのランナー、TRPGの冒険者、ハッキングIPのハッカー、海洋冒険の海上商人、武侠の武士などです。非ゲームIPなら『指輪物語』のホビット遠征隊、『ハリー・ポッター』の魔法学校生、『白鯨』の捕鯨者が該当します。PCはそのうちプレイヤーが直接操作する人物です。

12部型はVault 200〜600項目、世界観軸6〜7、五年運営の中規模IPに自然です。

14部型は600頁以上・600〜800項目の最大形です。Vault 600以上、軸8以上、十年以上運営したIPで、社会・政治・経済を三分し、日常・文化を二分し、存在図鑑も種族・勢力へ細分します。12〜18か月を要し、巨大IPに限って勧めます。大部分の読者には12部型が答えで、10部と14部はその圧縮・拡張です。

12部型の分量ガイド

序文8頁、第1部20、第2部30、第3部40、第4部地理50、第5部35、第6部25、第7部30、第8部45、第9部40、第10部40、付録30。本文415頁に序文と付録を加えて約450頁(±20)です。

背幅28mmなら第4部が約3mm、第9・10部が合計約5mm、D・E全体が約13mmで半分近くを占めます。各部項目数は頁数の1/2〜1/3を基準とし、IP規模により300〜600へ広がります。ガイドの±20%に収めます。

第4部と第8部が大きいのは地図と空間アイデンティティの比重が大きいからです。「○○」なら第4部が都市・地域、第8部が神壇・冥途など次元空間を扱います。

Eを第9部人物・種族と第10部勢力・企業に分けるのは、多対多の所属関係を整理するためです。統合すると人物カードが肥大化し比較しにくくなります。『Forgotten Realms』を含む多くのLOREBOOKが同じ分割を採ります。

読者のIPに合う形

Vault項目数が第一の基準です。200以下は10部、200〜600は12部、600以上は14部。人物30以下なら第9部単独、30〜100なら第9・10部、100以上ならさらに分割します。

第二は世界観軸です。5軸なら10部、6〜7軸なら12部、8以上なら14部。項目数と軸数が食い違う場合は軸数を優先します。本の骨格を決めるのは項目数より領域数だからです。

残る変数は三つ。明確なジャンルアクターがあれば第7部、なければ第5・9部へ吸収。多層の次元・空間があれば第8部、なければ第4部へ吸収。短編・小説が100本以上なら別巻、30以下なら第11部または別巻、5以下なら本文引用だけにします。

「○○」は1,200見出し語の運用規模、6軸、男性巫堂という職群、魂霊界・冥界の空間、短編30本という条件から一貫して12部型を指します。二形の間で迷うなら小さい形から始め、シーズンとともに拡張します。縮小は資料を削る仕事、拡張は再分類であり、後者が軽いからです。

世界観軸が部構成を自動化する領域

ライブラリングで決めた6〜7軸がD・Eを分割し、部構成の60〜70%を自動で組みます。「○○」の巫俗は第2部§3、第9部§1、第10部§1へ、料理は第6・9部と付録へ、魂霊は第8・9部へ、現世は第4・5・6部へ、関係は関係図付録と人物カードへ、一般は複数部へ分散します。

一軸が一部に集まらないことが重要です。二座標が直交するため、巫俗資料でも人物なら第9部、装置なら第2部、場所なら第4・8部へ行きます。人が決める残り30〜40%は分量均衡、優先順位、統合と分割です。六地区を統合するか、メガhubを分割するかが該当し、次回の二座標マッピングで詳しく扱います。

本格作業の出発点

机上に必要なのは、1,500個の.mdを持つLibrarying Vault、決定済みの10・12・14部構成、見出し語ごとの部別資料マトリクス、5〜7世界観軸の定義、LOREBOOK変奏の決定です。

五つがそろえば、1,500項目が12部マトリクスのどこに入るかを一頁で見渡せます。それが一項目ずつ本文を組む次の仕事の開始点です。読者の一冊も、このマトリクス一枚から始まります。


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