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KIM DONG-EUN · FTUE:初回ユーザー体験 (30 章)

第22章 結果ダッシュボードの定義

キム・ドンウン WhtDrgon. · 章 22

第22章 結果ダッシュボードの定義

第5部の扉を開く章である。その数字を何で動かすかは第23章が、その数字が事業目標とどう結び付くかは第24章が扱う。ここでは最初の体験について何を見ているべきか、まずその対象を選ぶ。


売上を見て最初の画面を直そうとするのは、体重計を見てどの筋肉を動かすべきか当てるようなものだ。

ゲームが成功したと聞いたとき、真っ先に頭に浮かぶ数字が二つある。売上と、一日に何人が接続したかだ。業界がゲームの健康状態を測るとき、ほとんど反射的に手に取る二つの数字である。あるゲームが成功したと言えば、月にいくら稼いだか、同時接続者が何人だったかへ話が流れる。しかし、最初の体験を設計する人がこの二つだけを机に置いて見つめていても、自分が触った画面がうまく働いたかは永遠に分からない。売上と一日当たりの接続者は、ゲーム全体がしばらく動いたあとに初めて出てくる、遠くて大きな数字だ。最初の画面を直した人には、今日見た数字が自分の仕事によるものか、昨日流した広告によるものか、先週登場した新キャラクターによるものかを見分けられない。それでも売上が落ちた日には、誰かが最初の画面のボタン色を変えろと指示する。体重計の針が下がらないからと、ふくらはぎを揉むようなものだ。何が売上を落としたのか誰も分からないまま、画面の色だけが空回りする。

第21章の終わりで先送りした問いがある。いったい何の数字を見ているのか。何を高めようとしているのか。第5部はその問いから始まる。この章は、その中でも最も手前の仕事、つまり何を高めるか決める前に、何を見ているかを先に決める仕事を担う。見る対象を誤れば、いくら熱心に画面を直しても、その努力が数字に映らない。あるいは関係のない数字が動いたのを見て、成功したと勘違いする。だから最初の一歩は、計器盤を立てることだ。車の運転席の前に速度計と燃料計が据えられているように、最初の体験を運転する人の目の前にも、何を映すかを決めた計器盤がなければならない。

残存が逆転する二つの画面

架空のゲームに行ってみよう。キャラクターを集めて会話するモバイルゲームで、第5部が終わるまで各章で繰り返し登場する。同じゲームの最初の体験を二種類つくり、半分ずつ人を送ったとしよう。画面Aは開始直後から華やかな戦闘演出を長く見せ、最初の5分を圧倒的な見どころで埋める。画面Bは演出を抑え、その代わり最初の3分以内にキャラクターを一人、自分で選んで名前を付け、完成させる。

最初のセッションだけを見ればAの勝ちだ。仮の数字で考えよう。華やかで見るものが多いため、最初の30分は画面Aを開いた人のほうがBより長く滞在する。30分後にAへ残った人がBより多ければ、会議室ではAのほうが優れた最初の体験だと結論づける。ところが翌日になると話は逆転する。昨日キャラクターをつくって名前を付けた画面Bの人たちのほうが、昨日見ていただけの画面Aの人たちより、はるかに多く戻ってくる。Aは目を楽しませたが、戻る理由を植えられなかった。Bの最初の30分は少し地味だったが、「昨日つくった自分のキャラクター」という口実を残した。最初の30分の滞在時間だけを見ていればAを選んだはずで、それは翌日さらに多くの人を失う選択だった。何を見ていたかが、どちらの画面を生かすかを分けたのである。

MEJEアイドンワールドにも同じ罠が潜む。映像は長く流せば長く見られるので、ファンがアイドンの映像を長く見たからといって、そのアプリを好きになったわけではない。本当に見るべきなのは、ファンがアイドンを自分の推しとして迎えて名前を付けたか、そして翌日そのアイドンに会うため、もう一度アプリを開いたかだ。長く見たという数字と、また来たという数字は、別の物語を語る。

結果として出る数字と手で触れる数字

計器盤を立てるには、まず数字を二種類に分けなければならない。結果として出る数字と、手で触れる数字だ。この二つを混ぜれば、計器盤がぼやける。

結果として出る数字は、売上、一日当たりの接続者、翌日の再訪のように、自分で直接触ることができず、ユーザーがどう行動したかの総和として現れる。売上という数字を指でつまんで持ち上げる方法はない。それは多数の人がそれぞれ下した決定が集まって表れた結果だ。これに対して手で触れる数字は、最初の報酬が出るまでの時間、ログインを求める時点、最初のボタンの大きさと位置のように、画面上で直接変えられるものだ。今日決めて、明日には違うものにできる。

この二つに名前を付けておく。結果として出る数字だけを載せた計器盤、略して結果計器盤が、この章で立てようとしている数字の盤である。そして私たちが手で直接触る入力が「契機」だ。運転席で言えば、速度計の針が計器盤で、その針を動かすアクセルペダルが契機に当たる。ここで一つ確認しておきたい。この本でいう契機は、測定器具を指す計器ではなく、物事を起こすきっかけ、つまり契機である。日常語で「けいき」と聞けば計器盤に付いた測定器具を思い浮かべやすく、混同しやすいが、この本の契機は常に、計器盤の針を動かす契機、手で触れる側だ。第5部はこの二語の組で動く。

この章で立てる計器盤には、結果として出る数字を載せる。何を見ているかを決める仕事なので、映したい結果を選ぶ。手で触れる数字、つまりその結果を動かす入力をどう結ぶかは次章の仕事だ。今は計器盤の上に何を表示するかだけを選ぶ。

最初の体験を映す計器盤に載せるべき結果の数字は、おおよそ次のようなものだ。最初の画面を開いた人のうち次の段階へ進んだ割合、つまり各段階でどれだけ進み、どれだけ漏れるか。最初の中核的な面白さへ到達した割合。業界ではアクティベーションと呼ばれ、平たく言えば「このゲームが何かを体で理解した人の割合」だ。ただし、どの行動を到達と数えるかがこの数字の本当の難しさで、その問題は付録Cで別に扱う。最初の中核タスクを最後まで終えた割合を見る。翌日にもう一度起動した割合は、一般にD1と呼ばれ、文字どおり「一日後に戻った人の割合」だ。一週間後に再び起動した割合はD7と呼ばれ、「七日後にも残っている人の割合」である。ただし、遠近を日数ではなく、因果の鎖に入り込む変数の数で測れば、七日の間にはそれだけ多くの出来事が入り込むため、D7はこの一覧で最も遠い側に立つ。一回の起動で滞在した時間も測るが、この数字を単独で読めば、先ほどの画面Aを選ばせる罠そのものなので、再訪の横に置いてだけ読む。初めて何かを他人に見せたり共有したりした割合も見る。これらは売上や一日当たりの接続者より小さく近いため、最初の画面を直した人が、自分の手が行った仕事をその中で見分けられる。

載せる数字を選んだら、もう一度分ける。同じ計器盤の上でも、赤いランプが点いた瞬間、作業を止めて駆けつけるべき数字がある一方、数日から数週間の流れで読むべき数字もある。最初の画面がまったく表示されない割合や、最初の30秒以内に閉じた割合は前者で、一日分だけ跳ねても警報として扱う。D1とD7は後者で、一日の揺れに一喜一憂せず、推移として読む。車の計器盤が燃料警告灯と速度計の針を同じ盤に置きながら、読み方を変えているのと同じだ。どの数字が止まれという信号で、どの数字が見守れという信号かをあらかじめ決めておかなければ、すべての数字が同じ大きさで鳴り、本当に急ぐべき信号を逃す。

ここでコンソール階層を思い出す。第6章でユーザーを八層に分けたとき、第六層は全体を見渡して運営する人、つまり計器盤の前に座るコンソール操作者だった。計器盤を立てるとは、最初の体験をつくった私たち自身が、そのコンソールの席に座ることだ。ユーザーに運営感を与えるダッシュボードを画面の中に描くのが第6章の仕事だったなら、この章では、そのダッシュボードをつくった人が自分の手に持つ別のダッシュボードを用意する。

計器盤に数字をすべて載せたら、そのうち一つを最も大きくする。複数の数字を同時に追えば手が散るため、最初の体験で最も重要な一つを選び、ほかの数字がそれを支えるように配置する。その一つは一般にノーススター指標と呼ばれる。夜空で道に迷ったとき、北極星一つを見て方向を定めるように、判断が曇ったときに立ち返る、ただ一つの数字という意味だ。

この一つを何にするかについて、よく知られた製品の選択が成長事例として頻繁に語られる。公式な数値というより業界で伝わる話に近いが、挙げられる選択には一つ共通点がある。どれも売上ではない。外国語学習アプリのDuolingoは、一日に訪れて学ぶ人の数をその一つにしたと言われる。毎日訪れる人が、結局は長く学び、長く残るからだ。宿泊場所を貸すAirbnbは予約された宿泊日数を、音楽を提供するSpotifyは人々が音楽を聴いた時間を、その場所に置いたと語られる。三つともお金を直接数えるのではなく、人々がその製品から本当の価値を得たときに動く行動を数え、売上はその行動のあとを影のようについてくると見たのである。

ここで引っ掛かる読者もいるだろう。一日に訪れて学ぶ人の数なら、実質的に一日当たりの接続者ではないか。先ほど、その数字は遠すぎると言わなかったか。層が違う。会社全体のノーススターは一日当たりの接続者でもよい。会社はそれほど遠くを見る立場だからだ。しかし、最初の体験の計器盤には、そのノーススターそのものではなく、そこへ向かう鎖の一番手前の欄を載せる。Duolingoなら、初日に最初のレッスンを最後まで終えた人の割合などが最初の体験チームの担当であり、その割合が積み重なって、一日当たりの学習者数という会社のノーススターを支える。最初の体験のノーススターも同じ考え方で選ぶ。最初の中核的な面白さに到達した人の割合や、翌日戻った人の割合のように、最初の体験が役目を果たしたかを最もまっすぐ映す数字でなければならない。売上は、そこからずっと先の話だ。

「成功は売上と一日当たりの接続者」という業界常識

ここで、ゲーム業界の深く根付いた常識を一つ、検問所に立たせる。「ゲームの成功は売上と一日当たりの接続者で測る」という信念だ。

まず、この常識が何を当然として前提にするかを見る。ゲームはつくるのにお金がかかり、生き残るには稼がなければならない事業だ。だからゲームの健康状態を一目で見たい人は、自然に売上と一日当たりの接続者を手に取る。この二つの数字は会社の外でも通じ、投資家にも通じ、ほかのゲームとの比較にも使いやすい。長くゲームをつくり、運営してきた人たちはそう学んできたし、その学びには理由がある。ゲーム全体の健康を遠くから測るとき、この二つほど圧縮力の高い数字はめったにない。

問題は、この常識を最初の体験設計へそのまま持ち込んだときに生じる。最初の体験を触る人にとって、売上と一日当たりの接続者は遠すぎ、大きすぎる。最初の画面を直した効果が売上に表れるには、その画面を通過した人がさらに数日残り、ゲームを好きになり、ずっとあとにお金を使う気になるまでの長い鎖をすべて通らなければならない。その鎖のどこにでも別の出来事が入り込む。その間に広告を増やしたかもしれず、新キャラクターが出たかもしれず、競合ゲームが人を連れていったかもしれない。だから最初の画面を直した人が、一か月後の売上を見て「自分が成功させた」「自分が台無しにした」と言うなら、それはほとんど占いに近い。自分の手が届かない遠い数字を、自分の成績表にしているのだ。

この常識を最初の体験設計にそのまま持ち込む代償は、徒労と誤判断だ。遠い数字だけを見ていると、手で直した画面がうまく働いたか分からず、次に何を直すべきかも分からない。さらに危険なことがある。売上と一日当たりの接続者を早く増やそうとして、最初の体験に無理な仕掛けを押し込むことだ。初日から決済を突き付け、接続者数を膨らませようとログインスタンプやデイリーミッションを最初の画面に敷き詰めれば、売上と接続者という遠い数字は一時的に動くかもしれないが、最初の体験の信頼が先に壊れる。最初の画面が担う仕事は人に好きになってもらうことであり、遠くにある大きな数字を無理やり引き寄せることではない。

本質だけを残して変える。売上と一日当たりの接続者がゲーム全体の健康を映すという事実は残し、それを最初の体験の成績表にする惰性は捨てる。最初の体験には、それに合った計器盤を別に立てる。遠く大きな結果ではなく、最初の体験が直接責任を負う、近く小さな結果を載せる。各段階でどれだけ漏れたか、最初の中核的な面白さに何人が届いたか、最初のタスクを何人が終えたか、翌日何人が戻ったか。売上と一日当たりの接続者は、この計器盤のずっと後ろに置き、第5部の別の場所で出力指標として扱う。最初の画面を運転する人の目の前に置く計器は、その画面が届く距離の内側になければならない。

▶ 自分の画面に当てはめる三つ

  1. 今見ているのは結果計器盤か、それとも最初の画面の直接の契機か。
  2. 売上やDAUのような遠い数字で、最初の画面を直そうとしていないか。
  3. ノーススターと最初の画面の間の因果が、一段階でつながっているか。

三つのうち一つでも遠い数字を最初の画面の成績表として握っているなら、計器盤から選び直す。

だから、見る対象から先に決める

計器盤を先に立てると、最初の体験設計は変わる。何を直すか考える前に何を見ているかを決め、最初の体験が直接責任を負う、近く小さな結果をいくつか選び、そのうち一つをノーススターにする。売上と一日当たりの接続者のような遠く大きな数字は、計器盤の端へ送るか、第5部の別の場所へ先送りする。見る対象を誤れば、そのあとの判断はすべて食い違う。華やかな最初の画面が最初の30分の滞在を増やしたと喜んだ末に、翌日さらに多くの人を失う。そんな食い違いは、見る対象から始まる。

誤った計器盤の害は、徒労だけでは終わらない。売上を最初の体験の成績表に掲げた瞬間、その数字をすぐ動かす最短経路は、初日から決済を押し込むことになる。計器盤が最初の体験を映すのではなく、最初の体験を壊す方向へ手を引っ張る。何を見ているかが、何をするかを決める。だから計器盤を選ぶことは、観測の問題である前に行動の問題だ。

そして、合意された計器盤は盾でもある。売上が落ちた日、最初の画面のボタン色を変えろという指示は上から降りてくるものだ。その指示に対して、最初の画面の担当者が取り出せるほとんど唯一の武器は、「私たちが合意した最初の体験の計器盤はこれで、その数字は動いていません」という言葉である。計器盤をあらかじめ立て、広く合意しておくことは、測定の準備である前に、見当違いの指示から最初の体験を守る組織内の政治でもある。

この章で決めるのは、何を見るかまでだ。実際にその数字を何で動かすか、つまり手で触れるどの入力がこの計器盤を揺らすかは、まだ空白である。計器盤に翌日再訪という針を載せても、その針をどう動かすかは別の話だ。直接手で押すことはできない。それを決めるのはユーザーだ。では、自分が決めるものは何か。その分岐が次章の仕事になる。

参考コンテンツ

この章の概念が表れている、ほかのメディアの事例。

機械装置/家電UX

  • 車の計器盤:速度計や燃料計のように、運転者が今見るべき結果だけを目の前に集めた計器盤の原型だ。
  • 車のテルテール警告灯とゲージ:テルテールは点灯と消灯だけを知らせる二値信号で、故障がすでに起きたあとに赤く点き、今すぐ対処せよと求める。油温計や燃料計のようなゲージは、針が流れをリアルタイムで示し、前もって備えさせる。映そうとする結果が「今止まるべきこと」か、「推移として見守ること」かによって、計器盤に何を載せるかが分かれる。
  • スリーマイル島原発事故当時の制御室:事故の最初の数分間に、数百の警報がほぼ同じ形と音で一斉に鳴り、運転員は命に関わる警報と小さな偏差を見分けられなかった。制御盤がクリスマスツリーのように光ったという回想が残り、ある運転員は調査委員会で、警報盤が有用な情報を与えなかったと証言した。何が緊急かを決めずにすべてを表示すれば、計器盤がかえって目をくらませるという反例だ。

現実の業務手順

  • 虚栄指標と実効指標の区別:総登録者数や累計ダウンロード数のように見栄えはよいが、何をすべきか教えない数字を、コンバージョン率やアクティベーション率のように原因と結果が明確につながり、手で直した効果がすぐ映る数字と分ける。計器盤に何を載せるか選ぶとき、気分を満たすだけの数字と、行動を変える数字をまず分けよという原則だ。

実写テレビ/放送

  • ニューヨーク・タイムズの選挙開票「針」:無数の開票数字を一つの当選確率ゲージに圧縮し、情勢を最もまっすぐ映す一つの指標を大きく掲げる。ただし、不確実性を知らせるため意図的に加えた針の揺れが視聴者に過度な不安を与えたとして、強い批判を受けた。その後は揺れをオフにできるようにし、さらに後にはデータが変わったときだけ針が動くよう直されたと語られる。一つの数字を大きくすることと、その数字の不確実性をどう一緒に映すかは別の問題だと示す。

残りの参考コンテンツは、この文章の末尾にある「第22章付録」にまとめた(単行本では付録Dに収録)。


設計ノート ▶ 実際にやってみる

自分たちのゲームの最初の体験を映す計器盤に載せる結果の数字を、五つだけ選ぶ。売上と一日当たりの接続者はいったん外して選ぶ。

候補は次のとおりだ。各段階を通過した割合、最初の中核的な面白さに届いた割合、最初のタスクを終えた割合、翌日に再び起動した割合、一週間後に再び起動した割合、一回の滞在時間(単独で読めば本文の画面Aを選ばせる罠なので、選ぶなら再訪の横に置いてだけ読む)、初めて共有した割合。この中から五つを選び、それぞれが正確に何を数える数字か、一行で説明する。「翌日に再び起動した割合は、昨日初めて起動した100人のうち、今日もう一度起動した人の数」のように。

五つを選ぶ基準は、自分たちのゲームの中核的な面白さがどれほど早く来るかだ。最初のセッション内で中核的な面白さが起きるゲームなら、最初の面白さへの到達と最初のタスク完了のように、初日内で読める欄を前に置く。面白さが数日にわたって高まるゲームなら、翌日と一週間後の再訪のように、戻ることを数える欄に重みを置く。どちらの場合も、段階別通過率は外さないほうがよい。どこで漏れているか分からなければ、ほかの数字を読んでも、直す場所を見つけられないからだ。

すべて選んだら、そのうち一つだけに丸を付ける。自分たちの最初の体験が役目を果たしたかを最もまっすぐ映す一つの数字、つまりノーススターだ。最後に自問する。今丸を付けた数字が売上か一日当たりの接続者なら、それは最初の体験の手が届くには遠すぎないか、もう一度見る。(指標ごとの定義と測定位置を記す精密な計器盤定義書は付録C。)

一行要約:最初の体験を設計する人は、何を直すか決める前に、何を見ているかから決める。売上と一日当たりの接続者はゲーム全体の健康を映すが、最初の画面が直接責任を負うには遠く大きすぎる数字だ。最初の体験の計器盤には、段階別通過、最初の中核的な面白さへの到達、最初のタスク完了、翌日と一週間後の再訪のように、近く小さな結果を載せ、そのうち一つをノーススターにする。「成功は売上と一日当たりの接続者」という業界常識は、最初の体験設計では徒労と誤判断を招く。 次章:計器盤に何を載せるかは決まった。しかし、その針を手で直接押すことはできない。翌日再訪という数字を指でつまんで持ち上げる方法はない。それを決めるのはユーザーだ。では、自分が決めるものは何か。見ている結果と、自分が触る入力はどうつながるのか。第23章は、その因果を組み立てる。

第22章付録:参考コンテンツ集

最初の体験を映す数字を選ぶこと、つまり遠く大きな売上ではなく、最初の体験が直接責任を負う近く小さな結果を計器盤に載せ、そのうち一つをノーススターとして大きくし、警報として扱う数字と推移として読む数字をあらかじめ分けることが、ほかの分野でどう表れるかを集めた。ゲーム運営だけでなく、航空、医療、放送、映画、音楽、そして指標とデータを読む事例まで混ぜ、各項目の末尾に「見るべき点」を付けた。何を見ているかが、何をするかを決めるという本文の結論に、一つずつ照らして読むとよい。

現実の業務手順

  • Apple Watchのアクティビティリングと「リングを閉じる」:ムーブ、エクササイズ、スタンドの三つのリングで一日の結果を一目で映しながら、すべての数値を並べる代わりに、「今日は三つのリングをすべて閉じたか」という明確な目標一つへ圧縮する。見るべき点:複数の結果の中から満たす一つを目立たせるノーススター設定だ。自分たちの計器盤で、最も大きくする一欄は何かを選ばせる。
  • Stravaの週間サマリー:距離や時間などの結果をまとめて見せるが、その数字を直接押すのではなく、走る、乗るという行動の合計としてついてくるようにする。見るべき点:結果の数字が行動の影としてついてくる関係をそのまま示す。見せる数字が圧力ではなく動機になる境目はどこかを見る。
  • 売上と接続者だけを見る運営会議:遠く大きな数字だけを見つめ、手で直した画面の効果を見分けられない反例だ。見るべき点:会議の机に載る数字が、その組織が直せると考えるものの一覧になる。自分たちの会議で常連になっている数字を書き出す。
  • 救急外来の重症度分類(トリアージ):押し寄せる患者を受付順ではなく重症度で分け、今すぐ命に関わる信号と、待てる信号を先に分離する。見るべき点:すべての信号を同じ大きさで鳴らさないという点で、警報型と推移型を分ける本文の区別の原型だ。自分たちの計器盤に「一日分だけ跳ねても駆けつける数字」が別に決められているかを見る。

ビデオゲーム

  • ゲーム分析ツールのチュートリアルファネルレポート:各段階の残存人数、直前の段階に対する離脱率、段階間の平均所要時間を表で示し、どのステップで最も多くの人が抜けるかを指し示す。たとえば「チュートリアル完了30パーセント、第5段階到達5パーセント」のように、最も急な区間が表れれば、最初の画面を直した手が行った仕事をその欄ですぐ認識し、次に直す場所を探せる。見るべき点:最初の画面を直した人が、自分の手の仕事を見分けられるほど近い数字の見本だ。自分たちのファネルが段階単位で区切られているかを見る。
  • チュートリアル完了率、D1、D7のダッシュボード:遠く大きな売上の代わりに、最初の体験が直接責任を負う近く小さな結果を載せて映す。見るべき点:同じ盤の上でも、完了率は単独で読めば偽りの数字になる。どの数字をどの数字の横に置いて読むかまで決めているかを見る。
  • 同時接続者数だけを誇る運営:大きな数字がよく見えるだけで、最初の画面の成否は見分けられない。見るべき点:外で誇る数字と内で仕事に使う数字は異なり得る。プレスリリースの数字を計器盤に載せていないかを見る。

モバイル/アプリ/サービス

  • YouTubeの再生回数から視聴時間への転換:2012年10月、YouTubeはおすすめと検索の中核シグナルを再生回数から視聴時間へ変えた。再生回数は釣りタイトルやサムネイルで膨らませやすいため、「クリックされたか」ではなく「見続けたか」を映すことにしたのである。変更直後には再生回数が大きく落ちたが、視聴者にとってより良いと判断して維持したと伝えられる。見るべき点:計器盤に載せた数字が、つくる側の行動まで変えた産業規模の事例だ。何を映すかが何をさせるかを決めるという本文の一文を、そのまま示す。

航空/輸送

  • 航空機のシックスパックとプライマリー・フライト・ディスプレイ(PFD):対気速度計、姿勢指示器、高度計、旋回計、方位指示器、昇降計の六つを飛行に不可欠な結果と定め、一か所に集める。中央に姿勢指示器を置き、左に速度、右に高度と昇降を配置する。見るべき点:何を見るかを先に決め、最も重要な一つを中央で大きくした配置の定石だ。自分たちの計器盤の「中央の姿勢指示器」は何かを問う。
  • グラスコックピット:散らばった計器を一画面に集めるが、まず何を映すかを決めた上での統合である。見るべき点:集めればすべて見えるのではなく、選んだものだけが見える。ダッシュボードを統合する前に、選別が必要だと分かる。

実写テレビ/放送

  • スポーツ中継のスコアとスタッツ表示:試合全体から今見るべき結果だけを選び、画面の片隅に表示する。見るべき点:視聴者というコンソール前の人のために、誰かがあらかじめ選んだ結果の数字だ。何を除くと決めたかが、何を入れたかと同じくらい重要だと分かる。

実写映画

  • 映画『アポロ13』(1995)の再突入前の電力場面:登場人物たちは、アンペア計の黒い針が20アンペアの赤い目盛りを越えないよう、一つの数字だけを凝視して緊張を生み出す。見るべき点:見るものを一つだけに絞れば判断が速くなるという極端な絵だ。危機の際に見る自分たちの一つの数字が、あらかじめ決まっているかを見る。
  • 映画『マネーボール』(2011):ゼネラルマネージャーと分析担当者が、打率のような伝統的指標ではなく、出塁率一つを中核の数字にして、過小評価された選手を集める。見るべき点:見ていた数字を変えると、選手を選ぶ判断全体が変わった。ノーススターの交代が組織の行動をどう変えるかを見る。

音楽

  • Spotify for Artistsのダッシュボード:曲別ストリーム数、ユニークリスナー数、保存率、プレイリスト追加、都市別リスナーといった行動の数字を前面に置き、肝心の収入は表示しない。収益は二、三か月の時差を置いて、流通会社を通じて別に精算されるため、アーティストが目の前で見る計器盤には、価値を直接映す行動を載せたことになる。見るべき点:お金という遠い出力を計器盤から外し、近い行動の数字だけを残した選択だ。売上を端へ送る本文の処方と同じ流れで読む。

指標/データ

  • 新型コロナのダッシュボードにおける感染者数と陽性率:流行期、各国のダッシュボードにある感染者数は、どれだけ検査したかによって揺れたため、検査陽性率、入院者数、重症者数を並べて初めて流れが読めるという指摘が、保健統計で繰り返された。見るべき点:一つの数字が別の入力、つまり検査量の影になり得るという警告だ。自分たちのD1が広告量の影にすぎないのではないかと疑う目を借りる。
  • 体重の日々の揺れと傾向の読み方:体重は水分や食事の時刻によって、一日の中でも1〜2キログラム動くため、一日分の数字に一喜一憂せず、週単位の傾向として読めという助言が一般的だ。見るべき点:推移型指標を警報型として読むときの消耗を示す日常の事例だ。D1やD7の一日分の揺れに、会議が振り回されていないかを比べる。
  • 景気の先行指標と遅行指標:経済統計では、新規受注や消費者期待のように景気に先立って動く指標と、失業率のように景気が変わってしばらくあとに動く指標を分けて読む。見るべき点:遠近を日数ではなく因果の鎖の長さで測る本文の基準と同じ流れだ。売上は最初の体験の遅行指標だという言葉を、統計の語彙で読み直させる。