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MEJE PROCESS · 『高慢と偏見』世界観データ (74 章)

ウィカム氏/ジョージ・ウィカム

MEJE Works · 章 65

ウィカム氏/ジョージ・ウィカム

基本情報

  • 原文表記:Mr. Wickham、George Wickham
  • 韓国語訳名:ウィカム氏/ジョージ・ウィカム
  • 年齢:ダーシーと同年齢、28歳前後
  • 家系:ダーシーの父の執事(steward)の息子。ダーシーの父に寵愛されて育つ
  • 職業:民兵隊(militia)士官 → 正規軍少尉(ensign、ダーシーが任官を購入)
  • 居住地:メリトン(民兵隊駐屯)→ ブライトン → ニューカッスル近郊の北部連隊
  • 初登場:chunk_09(第15章)

人物紹介

作中で最も危険な人物。端正な容姿、魅力的な話術、完璧な社交的作法を備え、初対面で誰からも即座に好感を得る。エリザベスさえ、初めて会った時には「容姿も態度もすべて彼に有利だ」と認めるほどである。しかし、この魅力は徹底して表面的なものにすぎず、実体は嘘つき、賭博師、放蕩者、そして未成年女性を狙う誘惑者である。

ウィカムの物語上の機能は二重である。第一に、エリザベスの「偏見」を決定的に固定する触媒であると同時に、その偏見を崩す中核的な媒介でもある。第二に、ダーシーの過去と現在を映す鏡でありながら、同時にそれを歪める鏡でもある。ウィカムが広めたダーシーについての虚偽の物語をエリザベスがそのまま受け入れることで偏見は強固になり、ダーシーの手紙で真実が明かされると崩壊する。リディアとの駆け落ちでは作品の危機を最高潮へ押し上げ、ダーシーの英雄的な仲介を引き出す。

出来事に沿った変化

第1幕:魅力的な登場(第15~17章)

  • EVT-013 メリトンの通りでエリザベス、ジェインと初めて会い、民兵隊士官として登場する。ダーシーと出会うと双方の顔色が変わり、過去の確執が暗示される。
  • EVT-014 エリザベスにダーシーを中傷する物語を語る。ダーシーの父が約束した聖職禄(living)をダーシーに奪われたと主張し、「ダーシーの父への敬愛が深すぎて、その記憶を汚す公の対決はできない」と高潔さを装う。実際には聖職禄を3千ポンドと引き換えに自ら放棄し、浪費していた。

第2幕:正体の露見(第18~40章)

  • EVT-022 1万ポンドを相続したキング嬢へ突然求愛の矛先を変え、エリザベスへの関心をただちに撤回する。動機が感情ではなく金であることが明らかになる。
  • EVT-029 ダーシーの手紙によってウィカムの正体が暴かれる。聖職禄の放棄、放蕩、当時15歳のジョージアナ・ダーシーへの誘惑未遂――狙いは3万ポンドの持参金だった。エリザベスがウィカムの嘘に気づく転換点である。
  • EVT-033 リディアがブライトンへ出発する前、エリザベスとウィカムが最後に会う。エリザベスが「ダーシーは知れば知るほどよい人に思える」と言うと、ウィカムは狼狽する。

第3幕:リディアの駆け落ちと強いられた結婚(第46~52章)

  • EVT-038 リディアとロンドンへ駆け落ちし、結婚する意思のないまま同棲する。ベネット家全体を社会的破滅の危機に陥れる。
  • EVT-040 ダーシーの秘密の仲介により、ウィカムの借金がすべて清算され、少尉の職が買い与えられ、リディアの結婚支度金が用意される。その条件として結婚を強いられ、ウィカムは金を受け取って同意する。

結末

  • EVT-049 ニューカッスル近郊の北部連隊へ移り、リディアと不安定な結婚生活を送る。金が必要になるたび、エリザベスとジェインへ手紙を送る。ダーシーはウィカムをペンバリーへ入れないが、リディアは歓待する。

中核となる関係

  • ダーシー:幼なじみ → 裏切り → 敵対。ダーシーの父の寵愛を悪用し、ジョージアナ誘惑未遂によって関係は永久に断絶する
  • エリザベス:魅力で好感を得る → 虚偽の物語で偏見を植えつける → 真実の露見によって幻滅させる
  • リディア:15歳の少女を誘惑して駆け落ちする。結婚する意思はなかったが、ダーシーの金によって結婚を強いられる
  • ジョージアナ・ダーシー:15歳の時に誘惑を試みる。狙いは3万ポンドの持参金
  • ベネット家:一家全体に社会的破滅の危機をもたらした張本人

翻訳上の注意

  • ウィカムの台詞は表面的には完璧な紳士の語り口である。表面上は滑らかで優雅にしつつ、後から読み返せば偽善が見える二重の調子を保つ。
  • 「openness」「frankness」など、ウィカムが自分について用いる誠実さに関する語彙は、すべて嘘を覆い隠す手段であることに注意する。
  • ダーシーの手紙におけるウィカムの記述は、抑制された怒りと事実に即した冷静さを保ち、感情的な誇張ではなく法的陳述に近い文体にする。
  • 「living」は聖職禄、すなわち聖職者に与えられる教区と収入を指す。「benefice」に近いが、当時の慣用では「living」の方が一般的である。